当館のテニスコート整備について
 当館の26面のテニスコートはすべてクレーコートです。昨年11月に霜と凍結のため使用不可能になってから半年、この4月に整備をして再び使用可能になりました。
 山中湖地区は標高1.000m、最低気温-15〜-20℃と厳しい環境にあります。したがって、凍土厚も50cmと深く、クレーコートは毎年4月に凍土が解ける頃整備が必要となるのです。
 春一番のコート整備は各宿独特の方法により行なっております。砂目がよければコートの清掃後そのままの状態で転圧したり、テニスコートをトラクターや耕運機で耕してから転圧したりして整備を行なっております。その後は、ひたすらローラーによる転圧整備作業が期間中行なわれます。26面のコートの転圧整備は3時間にも及びます。夏期の繁忙期は毎日の作業となります。これも偏にベストコンディションでプレーしていただくために必要な整備条件なのです。
 過酷な夏期のコート整備について・・・日照りが1週間続くとコート状況が一変します。サーフェスにひびが入り始め、砂が浮きスリップしやすくなります。また、コートテープのくぎが抜けやすくなりテープの下に砂が入るとイレギュラーの原因となるのです。これに対処するために散水、塩化カルシュウムの散布を行ないます。日中の作業ができないため、練習後の夕方から夜の作業となります。
 雨天後のテニスコートについて・・・山中湖は火山性の土質により、水はけがよく、雨天後のサーフェスもわりと硬く締まっています。雨天後(雨量と降雨時間にもよりますが)1時間で使用可能となるコートもあります。当館のメインコートは、荒木田土が入っているため木目が細かく水はけは良い方ではありません。ただし、第二コートは雨天後1時間から2時間でプレー可能です。
 一般に水はけの良いコートは豪雨の時、雨に叩かれて表面が荒れることがあります。化粧砂を撒く必要があります。粘り気のある水はけの良くないコートも、泥の灰汁によりべたついた状態になり、これもまた化粧砂を必要とします。化粧砂を撒いたあとはブラシとともにローラーの転圧をします。
 クレーコートの維持、管理は確かに手間がかかり大変ですが、きれいに整備されたコートでのプレーは、スキー場の圧雪作業直後の雪面に似て?、気持ちが良いものです。
 
 



整備模様
3月末から4月の1週間は季節はずれの雪が降ることがあり
整備の上で障害となるものです。・・とは言え、貴重な潤いに
なることもあります。
当館では毎年トラクターによる耕転をします。この作業により
コートのサーフェスが木目細かくなり、きれいな仕上がりに
なります。耕転の深さは10cmです。ロータリーの爪はクボタの
純正棒爪です。
耕転後はローラーによる転圧です。写真はゴムローラーによる
転圧模様です。
ゴムまきローラー:水注入式w=100p、φ=50cm
ワイド仕様の水注入式ローラー(特注)w=150p、φ=50cmによる
整備模様。このローラーによる整備時間の削減は多大なものが
あります。
特製の平面整備用スクレーパーによる凹凸直しの模様。
石の引きずり跡がつかないので、重宝してます。
狭く細かな凹凸の個所はこの廃土板で直します。
この機械は1965年製です。
半日ほどかけてほぼ完成。
この後丸一日セメント充填ローラー(600kg)で転圧します。
メインコートの状況。今年は例年になく良い仕上がりです。
コートテープ打ちの様子。
1面あたり3.000本の平頭ステン釘(5cm)でテープを止めます。
作業時間は、5名で1面30分かかります。
完成!

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